手びねりの基本、つまみ成形で小さな器を作る手順

土の玉に親指を差し込んで広げていく、つまみ成形(ピンチポット)の手順を、順番に説明します。
Nov 03, 2026
手びねりの基本、つまみ成形で小さな器を作る手順

手びねりの中でも、いちばん基本となるのが、つまみ成形です。土の玉に親指を差し込み、少しずつ壁を薄く広げて、器の形に仕上げていく方法です。道具もほとんど要らず、小さな湯のみや、小鉢を作るのに向いています。

土の玉をつくる

まず、握りこぶしより少し小さい程度の土を取り、手のひらで転がして、きれいな丸い玉にします。表面にひびや、へこみがないように、手の中で丁寧に整えます。玉の大きさが、そのまま器の大きさにつながります。

親指で穴を開ける

玉を左手の手のひらに乗せ、右手の親指を真ん中から差し込みます。底になる部分を、一センチほど残して止めます。底の厚みは、器の安定感に関わるので、薄くしすぎないようにします。

親指を差し込んだら、穴の形を崩さないように、慎重に引き抜きます。穴の中は、ゆがんでいないか、のぞいて確認します。

壁を薄く広げる

次に、親指を穴の内側に当て、外側から他の指で土をはさんで、壁を少しずつ薄く広げていきます。同じ場所を何度も押さず、玉を少しずつ回しながら、全体を均等に薄くしていきます。

壁を広げすぎると、崩れやすくなります。厚みの目安は、五ミリから八ミリほどですが、器の大きさや用途によって変わります。指先で、厚みを感じ取りながら進めます。

口の形を整える

器の口の部分は、ひびが入りやすい場所です。指の腹で、軽く押さえるようにして、なめらかに整えます。口が不揃いな場合は、湿らせた指で、そっとなぞるだけでも、整います。

底を安定させる

器を机に置いて、軽く押さえ、底の平らな面をつくります。底が丸いままだと、立てたときに倒れてしまいます。底の外側を、指で軽く押して、平らにならします。

表面を整える

形が整ったら、表面を整えます。指の跡が残っていても、手づくりの味わいとして楽しむこともできます。なめらかにしたい場合は、湿らせたスポンジや、濡らした指で、表面をなでます。

乾燥のさせ方

完成した器は、直射日光の当たらない、風通しのよい場所で、ゆっくり乾燥させます。急に乾燥させると、ひびが入ります。数日から一週間ほど、様子を見ながら乾かします。

壁の厚みを均一にする工夫

壁の厚みにむらがあると、乾燥や焼成の際に、ひびが入りやすくなります。厚い部分と薄い部分の差が大きいと、縮み方が違うためです。作業中は、ときどき器を持ち上げて、光に透かすように見たり、指でつまんで厚みを確かめたりして、むらがないかを確認します。

高さを出したいときの工夫

壁を高く立ち上げたいときは、一度に広げようとせず、少しずつ、上へ向かって土を引き上げます。いったん形を整えてから、しばらく置いて、土が少し締まってから、再び作業を続けると、崩れにくくなります。土が柔らかすぎると、自重で垂れてしまうので、休ませる時間も大切な工程です。

形を整えるときの手の動き

形を整えるときは、指先ではなく、指の腹や手のひらを使って、全体のバランスを見ながら進めます。細かいところばかりを気にすると、全体の形が崩れてしまうことがあります。ときどき手を止めて、器を目の高さまで持ち上げ、全体の形を確認しましょう。

取っ手や装飾を付けるときの注意

取っ手などの部品を付けるときは、土の硬さを器の本体と揃えます。硬さが違うと、乾燥の過程で、付けた部分が外れたりします。付ける面には、細かい傷をつけて、泥状にした土を塗ってから貼り付けます。この方法は、土同士をなじませるための、基本の工程です。

作品に自分らしさを加える

形が整ったら、指の跡や、竹べらの線などで、自分らしい模様をつけてみます。決まったルールはありません。思いつくままに、試してみるのも、手びねりの楽しみです。ただし、模様を深くつけすぎると、割れの原因になるため、土の厚みに注意します。

失敗しやすいポイントと対処

壁が薄くなりすぎて穴が開いてしまった場合は、周りの土を寄せて、指で押さえてふさぎます。ひびが入ってしまった場合は、水で湿らせた指で、ひびの部分をなでて、土をなじませます。完全に直らなくても、乾燥前であれば、かなり補修できます。

形が歪んだときは、焦って直そうとせず、いったん手を止めて、全体を眺めます。少しの歪みは、手づくりの味わいとして楽しめます。どうしても気になる場合は、土を丸めて、最初からやり直しても構いません。

数をこなして感覚をつかむ

つまみ成形は、数をこなすほど、土の扱いに慣れていきます。同じ形の器を、いくつも作ってみると、毎回の違いや、自分の癖が見えてきます。一回で完璧な器を作ろうとせず、練習のつもりで、気軽にたくさん作ってみてください。

次の工程にむけて

乾燥した器は、窯で焼く工程に進みます。窯は、自宅にないことが多いので、陶芸教室や、窯を貸してくれる施設に相談します。焼く際の条件や、必要な手続きは、施設ごとに違うため、事前に確認してください。

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